ここは、当サイトの西洋・欧米・中東の世界史の記事を全部リンクしているまとめページです。
このページを読めば、現代までの西洋の歴史の流れがざっくりつかめます。
古代の歴史
古代の西洋は
- メソポタミア(中東)
- エジプト
- ギリシア
- ローマ
などが発展していました。
ローマが栄えていたころにキリスト教が生まれました。
古代の歴史のくわしい説明ページはこちらです👇。
4世紀末~ ゲルマン人の建国ラッシュ
395年にローマ帝国が東西に分裂しました。そのうち東ローマはビザンツ帝国とよばれ、1000年以上続きました。
同じ時期にゲルマン人の大移動が起きます。これが一因になって西ローマは滅びました。
6世紀に中東で生まれたイスラーム教は大きな勢力になり、自分たちの国をつくりました。
また、中東だけでなく外の地域まで攻め込んでいきました。
ヨーロッパでゲルマン人が作ったフランク王国は、中東から攻めてきたイスラム教勢力と戦いました。
フランク王国は3つに分裂し、フランス、ドイツ(神聖ローマ帝国)、イギリスのモトになりました。
10世紀~ 封建制度や荘園制の普及・教会の地位向上
中世のヨーロッパでは「領主が土地や住まいを与える。そのかわりに家来や領民を支配できる」という封建制度が広がります。
また、キリスト教の教会や教皇の権力が強くなり、カノッサの屈辱のような事件が起きました。
十字軍(だいたい12~13世紀)
11世紀の終わりから、ヨーロッパ人が聖地イェルサレムを占領するため、十字軍を派遣するようになります。
これは200年ほど続きました。
十字軍の後のヨーロッパでは
- 貿易が活発になり、都市、都市同盟、ギルドがうまれる
- 荘園制が崩壊して、貨幣が流通しはじめる。農奴がお金の力で自由や待遇アップをかちとる。
- 諸侯(貴族)や領主が没落し、国王の権力が強くなる。このことが、のちの絶対王政につながる
- キリスト教会の権力が弱まり、アナーニ事件・教皇のバビロン捕囚が起きる。この流れが、のちのルネサンス・宗教改革につながる。
などの変化がありました。
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14世紀~:ルネサンス・百年戦争
十字軍の遠征が始まった12世紀から、ヨーロッパに、イスラム圏の文化や学問が入ってきました。また、キリスト教を研究するスコラ学がうまれました。
十字軍の活動が終わった14世紀以降は、キリスト教会の影響力が弱くなり
- キリスト教がメジャーになる前のギリシア・ローマの文化を見直す動き
- 一人一人の考えや創造力を尊重するヒューマニズム(人文主義)
などの動きがおきます。これをきっかけにルネサンスという文化的な変革が始まりました。
同じころ、イギリスとフランスのあいだで百年戦争が起きました。(1339~1453年)
また、百年戦争が終わってすぐ、イギリス国内ではバラ戦争という内戦が起きました。
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15世紀後半:大航海時代・イタリア戦争
13世紀末にできたオスマン帝国は、領土をひろげ、中東・北アフリカ・バルカン半島も支配する大国に成長しました。
オスマン帝国の影響で、今までのように中東を通れなくなったヨーロッパの人たちは、別のルートをさがすようになります。
こうして15世紀後半から大航海時代が始まりました。
スペイン・ポルトガルを筆頭に、ヨーロッパの国々が、アジアやアメリカやアフリカを侵略しはじめます。
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同じころ、フランスと、ドイツの神聖ローマ帝国はイタリアの支配権をかけてイタリア戦争(1494~1559)を始めました。終戦後もずっと、フランスと神聖ローマ帝国の王家だったハプスブルク家の仲はギスギスしていました。
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ヨーロッパ世界史ざっくり年表:ゲルマン人の大移動から宗教改革まで
- 375年:ゲルマン人の大移動
- 481年:フランク王国の前半のメロヴィング朝がはじまる(~751年)
- 732年:イスラム勢力のウマイヤ朝がフランク王国を攻撃(トゥール=ポワティエ間の戦い)
- 726年:ビザンツ帝国の皇帝レオン3世(レオ3世)が聖像禁止令を発布
- 751年:フランク王国の前半のカロリング朝がはじまる(~814年に分裂)
- 862年:ノルマン人が東欧にノヴゴロド国を建国
- 1066年:イングランドでノルマン朝がひらかれる
- 1077年:カノッサの屈辱(カノッサ事件)
- 1096年:十字軍開始(~13世紀末)
- 12世紀ルネサンス
- 1231年:モンゴル帝国がワールシュタットの戦いでドイツ・ポーランド連合軍に勝利。
- 13世紀末:『世界の記述』(「東方見聞録」)を出版
- 14世紀
- ヨーロッパで黒死病(ペスト)が大流行
- 農民一揆(1358年のフランス・ジャックリーの乱と1381年のイギリス・ワット=タイラーの乱)
- ルネサンスが開始
- 1303年:アナーニ事件
- 1339年:イギリスとフランスの百年戦争が開始(~1453年)
- 1414年:コンスタンツ公会議が開催
- 1453年:オスマン帝国がビザンツ帝国を滅ぼす
- 1488年:ポルトガルのバルトロメウ=ディアスがアフリカ最南端の喜望峰に到達
- 1492年:スペイン王国がレコンキスタを完了
- 1494年:フランス(ヴァロア朝)と神聖ローマ帝国のイタリア戦争が開始(~1559年)
- 1517年:神聖ローマ帝国でルターの宗教改革がはじまる
16世紀~ 宗教改革と宗教戦争
ルネサンスなどの影響で、前からあるキリスト教の考えに疑問を持つ人が増えてきました。
神聖ローマ帝国(ドイツ)のルターによって、16世紀に宗教改革が始まります。
宗教改革のあと
- 以前からのキリスト教の派閥(カトリック)
- 宗教改革をとりいれたキリスト教の派閥(プロテスタント)
の間で争いが起きます。具体的には
- ボヘミアのフス戦争(1419~36)これはルターより前の時代です。カトリックを批判したフスの支持者たちと、神聖ローマ皇帝との戦争
- 神聖ローマ帝国(ドイツ)のシュマルカルデン戦争(1546~1547)
- フランスのユグノー戦争(1562~98)
- オランダ独立戦争(1572~1648)
- 三十年戦争(1618~1648)
などがあります。
なかでも三十年戦争は多くの国が参戦する大きな戦争になりました。
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15~18世紀 絶対王政・啓蒙専制君主
15~16世紀のポルトガル、スペイン、16~17世紀のイギリス、フランス、プロイセンやオーストリアでは、国王の権力が強くなり、国王が独裁を行う絶対王政の時代になります。
いきなり出てきたプロイセンやオーストリアについて補足しておきます。
三十年戦争(1618~1648)のあと、ドイツにあった神聖ローマ帝国は名前だけの存在になり、プロイセンやオーストリア、その他たくさんの小国が独立しました。
1620年ごろからの約100年間、ヨーロッパでは穀物の不作・ペストの流行、三十年戦争に代表されるたくさんの戦争や内乱などつらい状況が続いたため「17世紀の危機」といわれています。
絶対王政時代の代表的な王様が、フランスのルイ14世です。
彼はたくさんの戦争を起こし、18世紀のはじめにはスペイン継承戦争(1701~1713)を起こしました。
絶対王政時代の途中から「独裁はするけど好き勝手せずに、国民のためになる政治をするで」というスタンスの啓蒙専制君主が登場します。代表的なのは
- プロイセンのフリードリヒ2世
- オーストリアのマリア=テレジアとヨーゼフ2世
- ロシアのエカテリーナ2世
です。
スペイン継承戦争以外の18世紀前半・中期の大きな戦争には、オーストリアの女帝マリア=テレジアがかかわった
- オーストリア継承戦争(1740~1748)
- 七年戦争(1756~1763年のパリ条約で終了)
などがあります。
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イギリスの歴史(3)【17~18世紀・ステュアート朝・内閣創設を解説】
18世紀後半
18世紀後半に、アメリカ合衆国がイギリスから独立します。(1776年)
アメリカの独立の影響で自由や独立をめざす風潮が強くなり、フランス革命など、民衆が王を排除する市民革命が盛んになります。
また、イギリスで産業革命が始まり、世界が近代化していきます。
19世紀初頭には、蒸気船や蒸気機関車が発明されました。
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イギリスの歴史(5)18~19世紀【ヴィクトリア時代・植民地支配などを解説】
19世紀前半
19世紀の初め、フランス革命をへて支配者になったナポレオンがヨーロッパ各地に侵攻しました。
ナポレオンが失脚した後、1814年にウィーン会議という国際会議が開かれました。
ここで国のトップたちは、「革命はやばい。絶対王政時代のように民衆の締め付けを強くするべき」と考えましたが、反動で市民の民主化・独立運動が激しくなりました。
とくにフランスの七月革命(1830年)、二月革命(1848年)の影響で、ヨーロッパ全体で市民運動が活発になりました。
また、ラテンアメリカ(南米)ではハイチをはじめとして各国が独立しはじめました。
18~20世紀初頭には、今もお世話になっている科学的発見や発明が現れました。
イギリスの産業革命、アメリカ独立革命(独立戦争)、フランス革命、ラテンアメリカ諸国の独立などをまとめて大西洋革命といいます。
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イスラム世界の歴史(5)【オスマン帝国の歴史・後半~トルコ共和国の成立】
19世紀後半
アメリカ南北戦争(1861~1865)の後、アメリカが経済的に急成長しました。
アメリカの歴史(3)19世紀のアメリカ【南北戦争・カリブ海政策などを解説】
フランスでは、ナポレオンの甥のナポレオン3世(皇帝在位1852~70年)が皇帝になりました。おじさんと同じく他国と戦争をしまくりますが、普仏戦争に負けて没落しました。
その普仏戦争に勝ったプロイセンをメインにしたドイツ帝国が1871年にでき、宰相ビスマルクが他国と同盟を組みまくりました。
ヨーロッパは「武力で植民地を増やして大国になるんだ!」というスタンスの帝国主義の時代になります。アフリカやアジアがヨーロッパの大国の植民地になり、搾取されます。
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中国に対しても
- アヘン戦争(1840年~1842年)
- アロー戦争(1856~60年)
- 義和団事件を制圧するための8カ国共同出兵(1900年)
などをへて、中国を半植民地化していきました。
その他19世紀の大きな戦争には
- ギリシア独立戦争(1821年~1830年のロンドン会議で独立が認められる)
- エジプト=トルコ戦争(第一次1831~、第二次1839~。1840年のロンドン会議で終結)
- クリミア戦争(1853~1856年のパリ条約で終結)
- ロシア=トルコ戦争(露土戦争=ろとせんそうとも言う。1877~78年にサン=ステファノ条約でいったん終結したが、「待った」がかかり、ベルリン会議によって条約の内容が変わった)
などがあります。
弱くなってきたトルコのオスマン帝国は戦争をふっかけられ、暖かい土地や海が欲しいロシアは戦争をふっかけました。
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ドイツ周辺の歴史(4)ドイツ帝国皇帝ヴィルヘルム2世の世界政策
20世紀(~第二次世界大戦)
20世紀初頭、日露戦争(1904~1905)で、アジアの小国の日本が勝利しました。
このニュースが後押しになり、ヨーロッパにおされていたアジアなどの国では
- カージャール朝のイラン立憲革命(1906年)
- オスマン帝国の青年トルコ革命(1908年)
- ベトナムのドンズー運動(1905年~)
など、革命や市民運動が起きました。
この後、イギリス・フランス・ロシアの三国協商とドイツ・オーストリア・イタリアの三国同盟が対立し、第一次世界大戦が起きました。(1914~1918年)
ロシアでは第一次世界大戦中に第二次ロシア革命が起き、国が崩壊します。その後1922年、世界初の社会主義国家であるソ連ができました。
第一次世界大戦のあと、「戦争せずに平和に問題解決しようよ」という流れがおきます。
- 話し合いをする国際連盟、ワシントン会議
- ワシントン海軍軍備制限条約による軍縮
- 平和のためのロカルノ条約や不戦条約 (パリ不戦条約)
などができますが、決定に不満をもつ国もあり、100%成功、とはいきませんでした。
また、1929年に世界恐慌が起きたあとは、植民地を持っている国と持ってない国の格差が広がって、険悪ムードになっていきます。
この流れで、ドイツがきっかけで第二次世界大戦が起きました。(1939~1945)
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第二次世界大戦後
いわゆる「戦後」の時代です。
国際連盟にかわって、国際連合がつくられました。
ヨーロッパでは、統合の機運が高まり、1993年にEU(ヨーロッパ連合)が発足しました。
戦後は、アメリカとソ連の2つの大国による冷戦が1989年までつづきました。
第二次世界大戦後の歴史・アメリカ陣営とソ連(ロシア)陣営(1970年代まで)
第二次世界大戦後の歴史・アメリカ陣営とソ連(ロシア)陣営(1980年代以降)
戦後は、ヨーロッパの植民地になっていたアジアやアフリカの国が独立しました。しかし、独立時や独立後に問題や争いが発生し、現在も解決していないものもあります。
アフリカの歴史(20世紀の第二次世界大戦以降・独立運動の時代~現代)
中東でも、イスラエルやアラブ諸国によるいさかいが続いています。
イスラム世界の歴史(7)【第二次世界大戦後のイスラム世界・中東】
欧米各国の歴史
ここまでリンクで貼られている記事をよんでいただければ、国ごとの歴史もひととおり読めているはずです。
こちらでは各国の歴史の記事を国ごと、時代順に並べなおしています。
国ごとに通しで見たいときは、こちらをごらんください。
イギリスの歴史
イギリスの歴史(1)【ノルマン朝・百年戦争・プランタジネット朝を解説】
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イギリスの歴史(3)【17~18世紀・ステュアート朝・内閣創設を解説】
イギリスの歴史(5)18~19世紀【ヴィクトリア時代・植民地支配などを解説】
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フランスの歴史
フランスの歴史(1)【10~17世紀・カペー朝とヴァロワ朝とブルボン朝時代を解説】
フランスの歴史(3)フランス革命とは?激動の約10年をわかりやすく解説
ナポレオン=ボナパルトのヨーロッパ支配とウィーン会議【19世紀のヨーロッパの近代史・フランス多め】
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おわりに
以上です。
随時てなおしする予定です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。