NHKの大河ドラマ『光る君へ』はごらんになっていますか?
この『光る君へ』のストーリーの途中から、宋から来た人が出てくるのですが「宋ってどこのどういう国なんだろう?」「中国のこと?」って、ちょっと気になりますよね。
そこで、この記事では中国大陸にあった宋の国について、また宋と昔の日本とのかかわりなどについてまとめました。
大河ドラマ『光る君へ』
俳優の吉高由里子さんが主演の紫式部(まひろ)を演じる、2024年放送のNHK大河ドラマ『光る君へ』。平安時代の、なかでも藤原道長や紫式部、清少納言が活躍した時代が舞台となっています。
これに宋の見習い医師・周明(ヂョウミン)という青年が登場します。演じるのは俳優の松下洸平さん。朝ドラ『スカーレット』やバラエティー番組『ぐるぐるナインティナイン』(ぐるナイ)の「グルメチキンレース・ゴチになります!22」にもでてましたよね。
周明は、日本の越前(いまの福井県)にやってきた後、主人公まひろと出会い、親しくなっていくとのこと。
宋という国について
大河ドラマのストーリーに宋からきた人物がくわわる…とのことですが、「宋」ってどこのどんな国かご存知ですか?
中国大陸の国?朝鮮半島の国?昔の中国だと「唐」とかも有名ですよね。
実は『光る君へ』の舞台の時代では唐の国はすでにほろびていて存在しません。
宋について詳しく説明していきます。
「宋」はどこの国?
「宋」はいまの中国にあった国です。しかしいまの中国とは異なり、中国北部は他の国があったため、宋の領土は南部中国となります。
現在は中国の領土に入っている北京や天津、大連、ハルビンなどは宋の国の領土には入っていませんでした。
「宋」はいつの国?
西暦960年~1276年に中国にあった国です。
宋の国は途中で都が移転します。そのため、最初の都があった前半期間を「北宋」(960~1127年)、次の都があった後半期間を「南宋」(1127~1276年)とよぶこともあります。
最後はチンギス・ハンがつくったモンゴル帝国によって終焉をむかえました。
そういえば『光る君へ』の時代は、「北宋」「南宋」どっちの時代なのでしょうか?
大河ドラマのメインの登場人物である藤原道長は966~1028年に生きていた人物です。なので、このときの宋は北宋、それも比較的建国初期の時代となりますね。
「宋」はどんな国?
中国は唐が907年に滅びた後、五代十国時代という、いわゆる戦国の世になっていました。
960年に乱世をおさめ、中国を統一したのが宋という国です。
宋は武官ではなく、文官がメインとなって政治を行うような平和な政治体制をすすめていきました。
また、青磁や白磁などの磁器づくりが発展して高く評価され、どんどん海外に輸出されました。
また、宋でつくられるお金「銅銭」も輸出され、中国以外の他の国でもひろく貨幣として使われました。
当時の中国人はジャンク船という高性能な木造の船をつくることができて、広い範囲を航海することができました。それで日本にも宋の人がやってきたのですね。
宋の船が日本に来るときは、おもに九州・福岡の博多か、越前(いまの福井県)の敦賀(つるが)の港にやってきました。
「宋」と日本とのかかわりは?
かつて日本の政府(朝廷といいます)は中国(当時は隋・唐という名前)に遣隋使・遣唐使という使者を送って貿易や外交をしていました。
しかし遣唐使は894年に終了してしまいます。
宋ができてからは、九州の商人たちが中心となって宋と貿易をしていました。公的には中国との交流がなかったものの、民間で人や物は行き来していたということです。これを「日宋貿易」といいます。
宋からは銅銭や薬などが輸入されました。そして日本からは金・銀・刀剣などが輸出されました。
当時の日本は貨幣をつくらなくなり、宋から輸入した銅銭をお金として使うようになっていました。
また、2012年の大河ドラマの平清盛は日宋貿易を積極的におこない、大きな富を得たことが知られています。この財力も彼が日本国内で権力を得るうえで重要な役割をはたしました。
まとめ
以上、大河ドラマ『光る君へ』のストーリー中にでてくる『宋』の国についてのまとめでした。
このブログでは、ほかにも中国の歴史や、他の地域の世界史についてまとめていますので、ご興味があれば、そちらもぜひご覧くださいね。